ポルトガル語を学んでいると、複数の主語がある場合の動詞の一致について困惑することがあります。日本語では主語の数にかかわらず動詞の形は変わりませんが、ポルトガル語では異なります。この記事では、複数の主語に対する動詞の一致について詳しく解説します。
基本的なルール
ポルトガル語で複数の主語がある場合、動詞は通常、複数形に一致させます。しかし、どのように一致させるかは、いくつかの要因に依存します。まず、次の基本的なルールを覚えておくと良いでしょう。
1. 主語が両方とも単数形であれば、動詞は複数形になります。
2. 主語が異なる性（男性と女性）の場合、動詞は男性形の複数形になります。
3. 主語が異なる人称（例えば、一人称と三人称）であれば、動詞は一人称複数形になります。
これらの基本的なルールを理解することは、複数の主語に対する動詞の一致を学ぶ上での第一歩です。
具体例と応用
それでは、具体例を挙げて説明しましょう。
例1: João e Maria são amigos.
– João（ジョアン）とMaria（マリア）は友達です。この場合、主語はJoãoとMariaであり、どちらも単数形ですが、性が異なるため、動詞は男性形の複数形である「são」となります。
例2: Eu e você vamos ao cinema.
– 私とあなたは映画館に行きます。この場合、主語はEu（一人称）とvocê（二人称）です。このような場合、動詞は一人称複数形の「vamos」となります。
例3: Os livros e as revistas estão na mesa.
– 本と雑誌はテーブルの上にあります。この場合、主語は複数形の「os livros」と「as revistas」です。性が異なるため、動詞は男性形の複数形「estão」となります。
主語の順序と動詞の一致
主語の順序も動詞の一致に影響を与える場合があります。一般的に、ポルトガル語では主語の順序が動詞の形に直接影響を与えることは少ないですが、文の意味や強調したい部分によっては異なる場合があります。
例えば、「Você e eu somos amigos.」と「Eu e você somos amigos.」の両方が正しい表現ですが、前者は「あなた」と「私」を強調し、後者は「私」と「あなた」を強調するニュアンスがあります。どちらの場合も動詞は「somos」となりますが、文のニュアンスが少し変わることを覚えておきましょう。
特別なケース: 近接一致と意味的一致
ポルトガル語には近接一致（Concordância por proximidade）と意味的一致（Concordância por sentido）という特別なケースがあります。これらは文法的には許容されるが、使い方には注意が必要です。
近接一致:
この場合、動詞は主語のうち最も近いものに一致します。例えば、
– “Nem o professor nem os alunos entenderam a explicação.”（先生も生徒たちも説明を理解しなかった。）
この文では、「entenderam」（理解しなかった）という動詞は、最も近い複数形の主語「os alunos」に一致しています。
意味的一致:
ここでは、動詞は文の意味に基づいて一致します。例えば、
– “A maioria dos estudantes passou no exame.”（学生の大多数が試験に合格した。）
この文では、「maioria」（大多数）は単数形の名詞ですが、文の意味に基づいて動詞は「passou」（合格した）と単数形に一致しています。
まとめ
ポルトガル語の動詞の一致は、日本語を母語とする学習者にとっては難しいポイントかもしれません。しかし、基本的なルールや特別なケースを理解すれば、複数の主語に対する動詞の一致を正確に使いこなすことができます。日常の会話や文章作成でこれらのルールを意識しながら練習することで、自然に身につけることができるでしょう。
最後に、以下のポイントを再度強調しておきます。
1. 主語が両方とも単数形の場合、動詞は複数形に一致させる。
2. 主語が異なる性の場合、動詞は男性形の複数形に一致させる。
3. 主語が異なる人称の場合、動詞は一人称複数形に一致させる。
4. 近接一致と意味的一致という特別なケースもある。
これらのルールをしっかりと覚え、実際の会話や文章で積極的に使ってみてください。ポルトガル語の文法がより理解しやすくなり、スムーズにコミュニケーションが取れるようになるはずです。
