イタリア語の文法を学ぶ際に、多くの学習者が直面するのが、動詞の時制の理解です。今回は、その中でも特に重要な「過去進行形」について詳しく解説します。過去進行形は、過去のある特定の時点で継続して行われていた動作や出来事を表現するために使われます。日本語では「〜していた」と訳されることが多いです。
過去進行形の基本構造
イタリア語の過去進行形は、動詞の不定詞の語幹に特定の語尾を付けることで形成されます。主要な動詞の変化形を以下に示します。
– **-are 動詞**:
– io stavo parlando (私は話していた)
– tu stavi parlando (君は話していた)
– lui/lei stava parlando (彼/彼女は話していた)
– noi stavamo parlando (私たちは話していた)
– voi stavate parlando (あなたたちは話していた)
– loro stavano parlando (彼ら/彼女らは話していた)
– **-ere 動詞**:
– io stavo leggendo (私は読んでいた)
– tu stavi leggendo (君は読んでいた)
– lui/lei stava leggendo (彼/彼女は読んでいた)
– noi stavamo leggendo (私たちは読んでいた)
– voi stavate leggendo (あなたたちは読んでいた)
– loro stavano leggendo (彼ら/彼女らは読んでいた)
– **-ire 動詞**:
– io stavo dormendo (私は寝ていた)
– tu stavi dormendo (君は寝ていた)
– lui/lei stava dormendo (彼/彼女は寝ていた)
– noi stavamo dormendo (私たちは寝ていた)
– voi stavate dormendo (あなたたちは寝ていた)
– loro stavano dormendo (彼ら/彼女らは寝ていた)
過去進行形の使用例
過去進行形は、過去の特定の時間に継続して行われていた動作や出来事を表現する際に非常に便利です。以下に、いくつかの具体的な使用例を挙げます。
1. **時間の特定**：
– Ieri alle 3 stavo studiando. (昨日の3時に私は勉強していた)
– La scorsa settimana stavamo viaggiando in Italia. (先週、私たちはイタリアを旅行していた)
2. **中断された行動**：
– Stavo mangiando quando mi hai chiamato. (君が電話してきた時、私は食べていた)
– Stavano guardando un film quando è andata via la luce. (停電した時、彼らは映画を見ていた)
3. **背景情報の提供**：
– Faceva freddo e stava nevicando. (寒くて雪が降っていた)
– Il sole splendeva e gli uccelli stavano cantando. (太陽が輝き、鳥たちが歌っていた)
過去進行形の形成方法
過去進行形を形成するためには、まず動詞の不定詞形を取り、その語幹に-ando（-are 動詞の場合）または-endo（-ere、-ire 動詞の場合）を付けます。次に、助動詞stareの過去形を前に付けます。
例：
– parlare (話す) -> stavo parlando (私は話していた)
– leggere (読む) -> stavo leggendo (私は読んでいた)
– dormire (寝る) -> stavo dormendo (私は寝ていた)
助動詞 “stare” の変化
助動詞stareは過去進行形を形成するための重要な部分です。その過去形の変化を以下に示します。
– io stavo
– tu stavi
– lui/lei stava
– noi stavamo
– voi stavate
– loro stavano
これを動詞の現在分詞形と組み合わせることで、過去進行形が完成します。
過去進行形の否定形
過去進行形を否定形にする方法も覚えておくと便利です。否定形を作るには、助動詞stareの前にnonを付けます。
例：
– Io non stavo parlando. (私は話していなかった)
– Tu non stavi leggendo. (君は読んでいなかった)
– Lui/lei non stava dormendo. (彼/彼女は寝ていなかった)
過去進行形の疑問形
疑問形にする場合、イタリア語では特別な変化は必要ありませんが、語順やイントネーションが重要です。疑問文を作るためには、通常の過去進行形の文の語順をそのまま維持し、文末を上げ調子にします。
例：
– Stavi parlando con lui? (君は彼と話していたの？)
– Stavate leggendo quel libro? (あなたたちはその本を読んでいたの？)
– Stava dormendo quando sei arrivato? (君が到着した時、彼は寝ていたの？)
過去進行形の使い分け
過去進行形は、他の過去の時制と組み合わせて使われることがよくあります。特に、過去形（passato prossimo）や大過去形（trapassato prossimo）と一緒に使われることが多いです。
1. **過去形と一緒に**：
– Mentre stavo studiando, è suonato il telefono. (私が勉強している間に電話が鳴った)
– Stavo cucinando quando è arrivato mio marito. (私が料理している時に夫が帰ってきた)
2. **大過去形と一緒に**：
– Quando ero piccolo, stavo sempre giocando fuori. (私が小さい頃、いつも外で遊んでいた)
– Avevano finito di lavorare e stavano riposando. (彼らは仕事を終えて休んでいた)
過去進行形の練習方法
過去進行形をマスターするためには、実際に使ってみることが重要です。以下に、いくつかの練習方法を紹介します。
1. **日記を書く**：
– 毎日、過去に起こったことを過去進行形で書いてみましょう。「今日は午後3時に何をしていましたか？」という質問に答える形で練習できます。
2. **会話練習**：
– パートナーや友達と一緒に、過去の出来事について話してみてください。過去進行形を使って、詳細に説明する練習をしましょう。
3. **リスニング練習**：
– イタリア語のドラマや映画を見て、過去進行形が使われているシーンを探してみてください。実際の会話の中でどのように使われているかを学ぶことができます。
まとめ
イタリア語の過去進行形は、過去の特定の時点で継続して行われていた動作や出来事を表現するために非常に重要です。その基本構造、使い方、否定形、疑問形、そして他の時制との使い分けについて理解することで、より自然なイタリア語の会話が可能になります。しっかりと練習し、過去進行形を使いこなせるようになりましょう。
